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http://hdl.handle.net/11150/7656
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タイトル: | 休眠預金の危険な冒険 : ロマンを忘れぬ者たちに、リスク預金を |
著者: | 向山, 輝 紫芝, 拓哉 庄野, 友惟 渡部, 雄 MUKAIYAMA, Akira SHISHIBA, Takuya SHONO, Yui WATABE, Yuu |
抄録: | 近年休眠口座預金が増加し続ける社会保障費の補填財源として注目されている。現在、日本では毎年約800億円もの休眠預金が発生している。そのうち約300億円が家庭や企業に払い戻しされており、約500億円が銀行に残っている。このお金は銀行の収益として計上されており、上記のような議論があるわけだ が、社会保障費の財源としてはあまりにも心もとない。一方日本のベンチャー企業は、未だリスク資金の供給の欠乏や経営面での経 験不足などに悩まされている。起業支援の一環としてベンチャーキャピタルが活動しているが、米国などに比べ支援が保守的かつ消極的である。休眠預金は本来、銀行融資として企業などの設備投資に使われ、社会に生産拡大と利益増大を生み出すという市場経済を活性化させる上で必要不可欠な資金循環の一部に組み込まれていたものである。更に、受け取り手がいなくなったということでリスク許容度が高い資金といえる。そこで私たちはリスクを積極的に取り、金融的資金循環の活性化を目的とする休眠口座活用ファンドの創設を提案する。このファンドでは全国の銀行から休眠口座を移管し、二元管理する。まず、預金者からの返還請求に応じるため、毎年800億円発生する休眠預金のうち、半分の400億円を国債に替え運用する。残りの400億円はリスク許容度の高い資金として扱い、これで新たにベンチャーキャピタルを創設し、ベンチャー企業や起業家に出資という形で支援する。支援する企業の選定、経営面でのサポートを実行するキャピタリストには、起業経験者や経営コンサルタントの実務経験者など様々な人材を募る。実務経験者が自身の経験と豊富な知識を活かすことで、起業家への経営面での指導強化につなげる。投資家タイプごとに出資規模、期間を決定し、上場を目標に支援をし、上場を果たすまで、もしくは支援期間が終了するまで支援を続ける。このファンドがベンチャー企業支援に携わる一番の強みは、リスク許容度が 高い資金を原資としているため、キャピタリストたちが、大規模で大胆な出資を行うことができる点である。このように豊富な人材とリスクを顧みない投資ができる400億の原資を持つ投資プレイヤーの登場は、日本のベンチャーキャピタル業界に大きなインパクトを与える。出資から利益回収までの流れは、キャピタリストが選定したベンチャー企業や起業家に出資し、その企業の株式を保有、支援対象の企業が上場することを最終目標とし、晴れてその企業が上場した場合、所有していた株式をすべて売却しファンドの利益として回収、その一部を銀行に還元するというものである。休眠口座活用ファンドによって、起業家・銀行・国・国民の誰にとっても win-win-win-win が成り立つと期待される。これが私たちの考える休眠口座の活用であり、本来の自然な資金循環である。 |
主題: | 石川雅也 |
出典: | 日銀グランプリ |
発行日: | 2014年 |
出版者: | 日本銀行 |
注記: | 指導教員:石川雅也(経済学部) 日銀グランプリ第10回(2014)優秀賞 外部リンク先:日本銀行・日銀グランプリHP |
外部リンク: | https://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/data/rel141219a5.pdf https://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/data/rel141219a6.pdf |
URI: | http://hdl.handle.net/11150/7656 |
出現コレクション: | 日銀グランプリ
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