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タイトル: プレミアム・インフラ・プロジェクトの推奨 : 多様性が生む経済成長の追い風
著者: 金子, 修太朗
熊木, 彩人
張能, 正逸
木村, 晃佑
KANEKO, Shutaro
KUMAKI, Ayame
CHONO, Seiitsu
KIMURA, Kosuke
抄録: 高度経済成長期時に日本に建設された大量のインフラの老朽化が事故などで浮き彫りになり、近年問題視されている。世界的にみると最新技術を使ったインフラは数多く開発されているのにも関わらず、国や地方公共団体は財源不足や人手不足、技術不足といった問題により、政府は新たにインフラ事業を行うことにしり込みしているのが現状だ。この現状を打破するために公共事業を民間企業と連携して取り組む動きがあり、その手法としてPPP、PFI といったものが挙げられるが、現在も一般化されていない。その理由として、財源の制約と公共性の制約があり、その2 つの制約のもとでは民間企業が主導となっても、双方の強みが発揮できない点が挙げられる。 そこで私たちは、インフラにおいて民間の力をもっと発揮してもらうには、財源やサービスはもっと自由でいいのではないかと考えた。ただし、インフラ・サービスの公共性は絶対に保つ必要がある。以上の課題を打破する施策として私たちは「プレミアム・インフラ・プロジェクト」を提言する。 この提言に欠かせないのがフリーミアム・モデルである。私たちは追加課金という、一見すると公共性を阻害しえるようなこのモデルが、ベースには無料の基本サービス提供のもとに成立していることを知ったとき、長年、無料・安価でサービスを提供し続け、現在技術的に大幅な進化を遂げているインフラとこのモデルとの強い親和性に確信を抱いた。 本提言「プレミアム・インフラ・プロジェクト」の特徴は以下の通り。 ・PPP、PFI 事業としてインフラを整備し、その際、最先端技術を導入する。 ・従来のインフラ・サービスは基本サービスとして、無料・安価で提供する。 ・最新技術を利用したプレミアム・サービスについては相応の対価をとり(課金)、限定的に提供する。 本提言の一番の魅力は、課金制のプレミアム・サービスによってインフラ事業の財源の制約が解消されることである。さらに基本サービスとプレミアム・サービスの多層的な提供であれば、サービスの公共性と多様性も同時に成立できる。また、今日ではなじみ深い人も多いであろう課金という要素をインフラに取り入れること自体、多くの国民を惹きつける効果が期待できる。これらの結果、採算性が改善されることで、資金調達方法の多様化も容易になるだろう。 本論がさらにこだわったのは、実在するハイテクインフラにこのビジネス・モデルを当てはめた具体的なインフラ事業の企画、立案である。中でも、特に私たちがわくわくするのは、充電道路拡充プロジェクトである。 社会基盤、経済基盤であるインフラの多様性は、生活・社会・ビジネス全体の多様性につながる。プロジェクトの発展が、さらなる経済成長の追い風になることを期待したい。
主題: 石川雅也
出典: 日銀グランプリ
発行日: 2017年
出版者: 日本銀行
外部リンク: https://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/data/rel171213a7.pdf
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/data/rel171213a8.pdf
URI: http://hdl.handle.net/11150/11495
出現コレクション:日銀グランプリ

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