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http://hdl.handle.net/11150/11497
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タイトル: | Meager Female Institution : MFI Japanが日本を変える |
著者: | 青木, 隆生 佐々木, 晴菜 櫻田, 龍 山崎, 郁弥 AOKI, Ryusei SASAKI, Haruna SAKURADA, Ryu YAMAZAKI, Fumiya |
抄録: | 近年、社会問題をビジネスとして解決するソーシャルビジネスが注目されている。私たちはその代表例であるマイクロファイナンスを用い、日本で社会問題となっている貧困、特に女性の貧困を改善するために、日本での女性起業支援型マイクロファイナンス機関(以下、MFI)、「MFI Japan」の設立を提案する。
開発途上国で発達したマイクロファイナンスを、貧困者の経済環境が途上国とは異なる日本で普及させるには、いかにその特性を活かすかが重要だと考え、その条件を3 つにまとめた。①小規模融資でスタートできる経済的自立の取り組みであること。②グループ融資による高い返済率の基盤となるようなつながりの強いコミュニティがあること。③成長性・採算性の高い分野であること。
そして、これらの条件すべてを満たすと私たちが考えたのが「貧困層の女性による起業」であった。女性は比較的低予算で起業することが多く、女性同士のコミュニティも強いものが多い。さらに今まさに女性経営者の成功事例が増えてきており、他分野に比べて成長性・採算性どちらも大いに期待できる。
MFI Japan では、同じ保育園のママ友といった生活に根差したコミュニティを持つ女性起業希望者2~5 人へのグループ融資で起業資金を提供する。最初のメンバーの返済が次のメンバーの融資につながるリレー形式で融資をつないでいく。融資だけでなく、「創業スクール」のようなセミナーの開催や、MFI 役員によるコンサルティングなど手厚いサポートを行う。また、女性起業家が
MFI と提携している保育所等を利用する場合、その教育費を事業資金とは別に
無利子で貸し出すなど、育児とキャリアの両立を援助し経済的自立の達成を図る。MFI Japan は金融機関、貧困者支援機関であるため、そのスタッフには様々な人材が求められるが、中核スタッフ以外は、各分野のプロと退職者による有償・無償のボランティアスタッフを募ることで運営する。財源は、政府財源や寄付金だけでなく、海外のMFI や、MFI ファンドからの出資や、借りて自身によるクラウドファンディングなど多様な方法で調達する。
この提案によって、(1)女性起業者、(2)MFI 役員、(3)資金提供者、(4)社会全般の4 者それぞれがメリットを享受できると期待される。女性起業者は、起業に必要な“資金”と事業運営に必要な“知識”の支援を受けることで、経済的自立のチャンスを手にすることが出来る。MFI 役員は、MFI での借り手との密接なやりとりを通して、若い世代の育成という形で社会との関わりを維持できる。資金提供者は、MFI への投資で、社会貢献と金銭的利益の両立が達成できる。そして、社会全体の利益としては、貧困層の経済的自立の進展と、女性起業の活性化による雇用の創出、新企業の成長、経済全体の活性化につながる。
「MFI Japan」が実現することで日本でのマイクロファイナンスの普及と、女性の活躍の場の拡大をすることができるはずである。 |
主題: | 石川雅也 |
出典: | 日銀グランプリ |
発行日: | 2017年 |
出版者: | 日本銀行 |
URI: | http://hdl.handle.net/11150/11497 |
出現コレクション: | 日銀グランプリ
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